【Skills of Australian Football】バナナキック

全てのゴールキッカーにとって、基本的スキルとなったこの独特なキック方法。南オーストラリア州で編み出されたのなら【チェックサイド】、ヴィクトリア州なら【バナナ】。

 

南オーストラリア州では【チェックサイド】、または伝説のストゥートFCコーチ、ジャック・オーティーによると【バックスクリューイー】として知られ、ヴィクトリア州では、より親しみをもって【バナナ】と呼ばれている。

どのように呼ばれようと、この技を編み出したのが誰であろうと、(南オーストラリア州の人たちは、彼らが編み出した技であると断固主張しているが、)バナナキックが、フットボールの中でも最も壮快なゴール方法の一つであり、正しく達成できるようになるには非常に優れたスキルを要するということは否定できない。

南オーストラリアの人たちは、至上最も優れた選手の一人として、リンジー・ヘッドを思い浮かべるだろう。彼は日常的にチェックサイドゴールを意図して蹴っていた。あまりに正確なゴールを蹴るので、チャンピオンプレーヤーで、コーチであり、ホール・オブ・フェイムのメンバーでもあるニール・クーリーが、【彼なら走りながらニワトリに向かって豆を蹴り、羽ひとつ揺らすことなくニワトリのおしりに豆を命中させることができるだろう!】と言った程だ。そしてこのニールのコメントは、バナナゴールを成功させるために必要なスキルをいちばんうまく要約している。

ここ数年で、南オーストラリア州、正確に言えばアデレードオーバルは、AFL界のバナナの本拠地と言われるようになった。毎週のようにバナナを蹴る、豪快なスモールフォワード、エディー・ベッツである。彼によりフティーファンが、アデレードオーバルのグラウンド聖堂側、右フォワードポケットを【エディー・ベッツのポケット】と呼ぶまでになったのだ。

カールトン在籍中、彼のマジック的プレイで人々を魅了した後、その活躍の場をクロウズに移したベッツ、バナナキックで両チーム在籍中にゴール・オブ・ザ・イヤーを受賞した。(2006年カールトン、2015年アデレード)彼はフットボール界の新しい【チェックサイドチャンピオン】なのである。

このタイトルを初めて授かったのは、1968年のSANFLグランドファイナルで、同じポケットから2つのチェックサイドゴールを決めたストゥートFCのローバー、ピーター・エンダーズビーである。当時のコメンテーターはこのキックを【バックスクリューパント】と呼んでいた。バナナキックを蹴る際、エンダーズビーと同様、ベッツはリバーストーピードを蹴るかのようにボールを持ち、ターゲットに向かって真っすぐ狙いをつける時とは対照的に、ボールに記されている名前【SHERRIN】のSの部分にブーツが接触するよう狙いをつけている。その後、蹴る方の足は、直線に最後まで蹴り抜けている。これにより、ボールが空中横方向へ素早くスピンするのである。そして私たちが幾度となく見てきたように、彼はめったに外すことがない!

元ノース・メルボルンのフォワード、ダニエル・モトロップは、【このキックには運の要素がある】と言う。彼に加えてますます多くの選手たちが、バナナを蹴ることによりボールがグラウンド上をドリブルし、(十分な勢いがあればカーブもする)正しく達成することができれば、頼りにさえなり得るキックであると考えている。

天候によりボールの飛び方が左右されてしまう等、効果を奪われることがあり、地面が濡れた状態の時は、地面が乾いている状態の時ほどボールが高くバウンドしない、ボールが回転しない等の問題があるため、キッカーには異なったマインドセットが要求される。その他のフットボールスキルと同様、全ては練習あるのみだ。ベッツ、モトロップ、元ジロングのフォワード、ロニー・バーンズ、コリンウッドの俊足リオン・デイビスは皆、バナナキックを完全に蹴ることができるよう何時間も延々と練習を積んできたのである。ちゃっかりゴールを決めることで有名なスティーブ・ジョンソンもまたその一人である。ボールを縦にスピンさせる(空中と地面の両方で)ためには、自分の足がボールのどこに接触しなければならないかを正確に練習し、学ぶことにより、極度のプレッシャーの中でもバナナを実行できるようになるチャンスがより多く生まれるのである。

2015年のグランドファイナル、第2クウォーターの初め、MCGのバウンダリーラインのすぐそばの左フォワードポケットから、他のプレーヤーによるプレッシャーを受ける中、たった一歩で不可能なゴールを決めたルーク・ホッジを、ホーソーンサポーターは一生忘れないだろう。このゴールにより会場は興奮の渦に巻き込まれた。そしてこれから先何年もリプレイされ続けるハイライトとなるだろう。

 

 ボールの握り方

リバーストーピードパントを蹴る時のようにボールを握る。右足で蹴る場合は右手が前にくる。

 

 

 

 

 

 

バナナキックの蹴り方

1.アプローチ
クラッシックな【リバーストーピード】と同様のボールの握り方で、ダニエル・モトロップは、バウンダリーのすぐそばから助走し始め、ゴールへの角度を広げるため右側に動き始めている。その他全てのキックと同様、頭は動かさずそのままで、目は常にボールを見ている。

2.ガイド・ダウン
最後から2歩目のステップを踏む間、ボールが右足に向かって斜めに落ちるよう右手でボールを下方向にガイドする。左手は囲むようにして上がり、ボールから離れていく。

3.ブレイス(構える)
ボールはインパクトエリアに向かって、体の向かい側に落ち始める。支持脚を構え始め、自由なほうの右膝は接触するポイントへ向かって加速し始めている。

4.インパクト
インパクトエリアへ向かってボールが落ちる間、左足は構えたまま、蹴るほうの足はボールへ向かって加速し、ボール左端の下に接触する。

5.フォロースルー
蹴るほうの足はまっすぐ直線に蹴り上げ(この場合はターゲットに向かってではない)、ボールは横方向に素早くスピンし始める。これにより、ボールはターゲットへ向かってカーブしながら飛ぶ。

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